脳が暮夜けているせいで世の中が鋭すぎるのです。辛いです。
 あまりに暮夜けて居るせいで、某有名ネットラジオを聞きながら「ははは、人体で一番硬い場所は肘じゃないよ、歯だよお」と口に出して言ってしまいました。肘はただの骨だけど、歯はエナメル質だからな。って、そう言う問題じゃないんだ。脳が抗ヒ○タミン薬のせいで半分ぐらい機能していないんです。だから、独り言も勝手に口から出て来てしまうんです。俺が小声で悪口を言い続けてるのは、全部薬のせいなんです。「あの間抜け野郎の○○!死にやがれ!」とか言ってるのは俺が悪いんじゃないんです。
 そういわせるクソ野郎が全部悪い。
 それはさておき。
 そういやさっき、リファラ〜を見て居たらヒスタ○ンで何か検索掛けてる人がヒットしてたので、少々怪訝な思いを抱きましたよ。俺が別口でやってるというか、職場関係で更新している真面目なブログには、その手の専門用語は腐るほど書いているんだけど全く検索エンジンが反応しないのに。どういう意図で、俺が愚痴を書き散らかしているゴミのようなココには検索ロボが反応するんですね。今すぐ、煙吐いて壊れれば良いのに。
 でも、検索ワードが個人的に面白かったです。
 どうも抗ヒス○ミン薬の副作用としての「喉の渇き」の機序が知りたかったようで。コレはね、実は相当深いんですよ、知識的に。何か偉そうな事を書いてるね、俺。まあいいや、俺の復習にもなるので、若干端折りながらですが解説してみましょう。頑張って働けよ、俺の脳。
 っていうか、まるっきり俺のリハビリですね。失敬。
 
 まず、○スタミンどうのこうのという話の以前として、炎症ってのを知る事が大切なんですわ。炎症ってのは、臨床医学系の各論を勉強すると、真っ先に脳に叩き込まれる分野でして、その割りに知られてない現象でもあります。当たり前過ぎて詳細に学習する機会がないのかな?よう知らんけど。なんか、むしろ病理関係で習わされる気もするけど、どうでもいいか。知識にジャンルなんて大した意味は無いもんな。門外漢に限って「物理は数学より優れている」とか言うしな。現場じゃ普通に仲良く飲みに行ってたりするんだがねぇ。教卓に立ってた頃の話ですけどさ、俺は物理の先生と無駄にドライブに出かけたりして、物理やら数学の話をしてたけど、お互いの分野を馬鹿にする事なんて一度も無かったよ。根性がアレな一部を全体扱いされると迷惑です。
 で。
 炎症ってのは、体の反応の一つでして、これは刺激によって誘発されます。刺激って言っても色々有りますが、炎症の場合は、物理的刺激、化学的刺激、生物的刺激、それとアレルギーの4つに反応するとされてます。というか、これが授業初日に「君たちが一生付き合う知識ですから。死ぬ気で覚えないと馬鹿丸出しになりますよ?というか、ここで挫けたら単位は全滅だと思え!」と脅されて暗記させられる話だったりしますが、俺にとっては遠い日の思い出だ。
 教科書的に4つ書いてみたけど、本当は複雑に関係し合っていて、綺麗に分割出来るようなもんでもないんだけどね。アレルギーはちょっと特殊だろうけど。この辺りの分類は「そういうモンなんかあ」的な認識が、楽に生きるには適当ではないかと個人的には思います。
 とはいえ、解り難いかもしれんので例を。
 例えばね、手を鈍器で思いっきり叩いて下さい。骨とか折れても構いません(俺は)が、あくまで例としての話ですので実際に実行しないように。結果は実行するまでも無く、激痛が走り、手は真っ赤に腫れ上がる訳です。この辺りが全く想像出来ないという場合は、以後の話に用がない人だと思いますので、ここでサヨウナラです。二度と来なくていいです。
 さて。
 体に何か刺激が入り、組織に変化がもたらされた、と。この変化が炎症です。炎症が引き起こす変化は発赤、腫脹、熱感(規模がデカイと発熱)、疼痛、機能障害です。最初の4つだけを四徴候と言ってみたりして、機能障害を切り離す教科書があったりしますが、どうせ機能障害も起こるんだから分けなくても良いやん。というか、これ、別に授業とかじゃないので、詳細はどうでもいいんだ。とにかく、手が真っ赤に腫れ上がり、局所は熱を持って痛み、手が動かないのは、全部炎症に寄る反応です。
 この炎症が起こる機序ってのが、また重要。
 鈍器で叩くという行為(物理刺激)によって手が炎症を起こした場合を仮定すると、叩かれた場所で組織の損傷が起こります。要するに怪我ですね。そうすると、組織の再生をしたいと体は判断します。怪我したままで支障がないって人は少ないんです。組織の再生をする為には、壊れた部分の近所の血行(というか血流量)を上げる必要が出て来る訳です。何たって、壊れた組織を掃除するのも、再生する為の材料を運ぶのも体液、つまり血液(の、いわゆる白血球ね)。損傷箇所で、血液を大量に使用する為に、損傷部位近所の血管を拡張しなきゃならない。で、血管を拡張する物質ってのが、損傷部位近所で分泌される訳で、その中にヒスタミ○も含まれます。
 炎症は詳細に分けると、大きく三段階で進むんですけど、この辺りは端折ります。ヒ○タミン関係の話をするには余談な部分なんで。詳細は専門書をn万円とか出して買って読むと良いです。
 そんな訳で、炎症の初期に炎症を起こした局所が腫れ上がるのは、血管が拡張して、大量の血液が集まり始めたからだって事で、この血管拡張の作用を起こしている物質の一つがヒス○ミンという訳です。コイツは主に、肥満細胞(というか普通マストセルって言うなあ、俺の近所だと)と血小板から分泌されます。こんな感じで細胞から分泌される何かをサイトカインっていうのですが、専門用語的な話は、別に要らないか。
 血小板は血流に乗っかって全身を駆け巡ってます。そして、マストセル君は結合組織とか粘膜とかに点在してます。つまり全身何処にでもヒスタミンを出すやつが存在してるってことで、全身の何処を鈍器でぶん殴っても、対象が生きている、特殊な病気に掛かっていない、同様に特殊な薬剤を摂取していない場合であれば、真っ赤に腫れ上がるのです。
 簡単過ぎる程度にまとめると、ヒスタ○ン君と炎症の関係は、こんなかんじ。
 で、花粉症の場合。
 花粉が粘膜などに接触すると、これをマストセル君が感知(機序は端折ります。免疫系の面倒な機序が絡んで来てさ、金をもらわなきゃ書きたくも話したくもないです)して、ヒスタミ○を出しちゃう。本来炎症を起こすような刺激じゃないんだけど、そこはほれ、病気ですから異様な反応をしてしまう。
 そうすっと、用も無いのに放出されたヒスタミ○は、放出された事情なんか知りませんからね、出て来た以上はガンガンに働くわけです。それは血管を拡張するし、血管透過性を上げて白血球を遊走しすくする、と。つまり炎症が起こってしまう。炎症が起こると、上に書いた反応が起こる訳です。酷いと、炎症によって起こされた刺激が、次の炎症を引き起こす刺激になります。炎症の永久機関ですね。
 そんな馬鹿な!と思われるかもしれないけど、そういう病気もあるんです。リウマチなんてソレ。というか、自己免疫疾患の大半がそんな感じ。無駄な過剰反応→必要の無い炎症反応→炎症を刺激とした無駄な炎症→その炎症を刺激とした更なる無駄な炎症反応→延々続く炎症による組織の大規模な機能障害、って感じ。酷いと組織そのものが壊れて骨は変形するわ、関節は壊れるわの酷い循環に突入ですよ。
 これが自己免疫疾患と○スタミン君の関係。簡単過ぎる説明ですが、無料じゃこんなもんだ。
 では炎症起こして暴れてない時のヒ○タミンは何をしてるのか?っていうと、脳の中という特殊環境以外での仕事なんて、上に書いた「血管拡張」と「血管透過性の亢進」が、仕事そのものです。例えば、胃におけるヒス○ミンの通常時の仕事は、胃液の分泌だったりします。結局、なにか他の組織に対して分泌する行為を亢進させることが得意なんでしょうね。粘膜でも似たようなもんで、粘液の分泌の亢進をさせてます。
 一端纏めますよ。

 人体という場所には、ヒ○タミンという物質が静かに暮らしておりました。彼は、毎日、粘膜を濡らしたり、胃液を出したりして、一生懸命働いていましたが、彼には、もう一つの顔が有ったのです! それは、人体が壊れてしまった時、ヒスタ○ンは、周囲の連中に働きかけ、血管を膨らませたり、体液をドバドバ出したりして闘う、勇敢な物質だったのです。そんなある日、外の世界からスギ花粉という駄目なものが人体にやって来ました。そいつはマストセル君と非常に相性が悪く、マストセル君をイライラさせます。怒ったマストセル君は「これはもう人体の敵だクソが」と判断し、ヒスタミ○君に「大変だ!敵が攻めて来た!」と出動命令を掛けてしまいます。そんな事情もしらない○スタミンは、コレは有事だ大変だ!っつって、大いに働くのです。
 しかし皮肉な事に、懸命なヒ○タミンの活動は、人体にとっては不愉快でしか無かったのです。

 ざっくばらん過ぎるまとめですが、別に間違っちゃいないです。バイアスが有るだけです。それはさておき、花粉症などの症状を作ってるのが炎症、つまりは○スタミンなどが原因だって事になるってのが解った訳で、だったら、花粉に過剰反応する体をどうこうするか、炎症自体を押さえれば症状は軽くなる筈、という発想が生まれた訳で、それが現状の対応となっています。少なくとも。
 ちなみに「だったら日本中の林業の政策を見直して杉の伐採をすれば良いじゃん」という発想が生まれた方は、相当に政治家むきだと俺は思います。だからどうした?って話ですが。
 で、方法が解った訳ですが、実は「花粉に過剰反応する体をどうにかする」ってのは、上にも括弧で書いたけど、免疫系が関与して来る部分なんです。へたに弄くると全身の免疫系がゴッソリ落ちちゃって、それこそ死ぬ事になる訳です。そう言う病気、知ってるでしょ? 後天性免疫不全症、ウィルス感染が原因で、全身の免疫系がゴッソリ落ちちゃって、アホのようにマイナーな筈の肺炎とかで死んじゃう、アレです。
 となると、抗○スタミン薬を飲んだら?
 飲めば、当然全般的にヒスタミ○の仕事量が減る訳です。炎症を起こしている局所における血管の拡張が減少。つまりは花粉で真っ赤に腫れ上がってた目がスッキリするわけです。鼻だってマシになる。同時に血管透過性は減少。粘膜での粘液の分泌は減少するので鼻水も減少。
 完全とは言えませんが、花粉症という病気によって起こっている嫌な症状が、日常生活を送るには支障がない程度まで押さえられる事になるわけです。だから、花粉症の治療薬として抗ヒ○タミン薬が出て来るんだなあ。最近じゃ、色々と新しい試みの薬もあるようなので、興味が有ったら薬学部に願書だして見れば良いよ。
 さて、円満に解決したようにも見えますが、問題は残る訳です。だって、体にしてみれば花粉を敵だ!と判断しての行動ですからねえ、別に体にしてみれば通常の行動を、むしろ、外敵に対しての抵抗運動を行ってるつもりですから。良い迷惑です。色々問題も出て来る。
 それに、体にしてみりゃ、そんな薬を飲まれても、選択的に鼻やら目だけに作用する訳が無い。全身に作用してしまう。そうなると、通常営業していた粘膜のヒス○ミン君も「もう出てくんなや」と止められてしまう。つまり、それが喉の渇きに繋がる訳です。もちろん、胃の方で通常営業していたヒスタ○ン君も止められてしまう訳で、それはそのまま胃の荒れに繋がります。良し悪しです。でも、花粉症なんて生き難いものを止められるなら、多少の弊害は我慢しようよ、という発想で薬を飲む訳ですねえ。
 
 と。
 延々無駄話を書いてみたけどさあ、これってニーズ無いよな、全部。
 一応、俺も酷い事を書く訳にも行かないので、久しぶりに生理学の本とか引っ張りだして来たけどさ、普通にコレ買って読めば良いだけじゃん。

標準生理学 (STANDARD TEXTBOOK)

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 なんか知らないうちに新しい版が出たのかな?
標準生理学 (標準医学シリーズ)

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 どっちにせよ、人殴ったら死人が出るような厚さで、ちょっとしたビックリお値段の本ですが、枕にするのに非常に重宝する筈なので、一冊ぐらいは買ってみても良いと思うんだ。
 何にせよ、ネットに真実なんて有りませんので、こういう本を買った方が良いです。それと、面倒な単語は○を放り込んで誤摩化したので、これ以上検索エンジンの無駄な誘導に騙されて、こんなクソのような場所に迷い込む、悲しい犠牲者が増えない事を望んでおります。
 望むのは無料ですから。