仏弟子の告白―テーラガーター (岩波文庫 青 327-1)

仏弟子の告白―テーラガーター (岩波文庫 青 327-1)

 ついにこういう本を読み始めてしまいました。もう俺は駄目なんだなあとつくづく思います。俺は俺が幸せにしている姿と言うのを想像出来ません。何が幸せなの?っつうのも何かもう解らなくなってしまいました。金?愛?なんかもうどうでも良い感じです。どうせ手に出来ないものだと解ってしまったのかもしれません。だからもう思考の選択にすら上らなくなりつつ有ります。それを不幸だと思える部分も欠落し始めました。心の底から笑えた日は遠い過去です。この前久しぶりに声を出して笑ったら首の周りが痛くなりました。帰って来れない場所に来てしまったのだなあと知りました。意味がドンドン意味をなさなくなっています。何をすべきなのかが解らなくなっています。むしろソレが普通なので特に苦しくもないのです。ただ、色々な物を失って行く喪失感だけが降り積もって行って、その吹きだまりのようなものが胸の奥から下腹部に蓄積されている自覚が有ります。中年太りと言われるけど、ろくなモンを食ってないのに何故太るのだろう?と思ってましたが納得がいきました。口にしたくても出来ない様々がブクブクと俺にまとわりついて居ます。多分、泣きたくても泣けなかった涙の成れの果てなのでしょう。でもそれは私だけの病ではない!という事実、その事実が私慰みなのだ!的な事を言うほど俺は老成してないです。憎悪、憎悪、憎悪、そういったイベントが俺の周りでメリーゴーランドのように楽しげに回り続けてます。死ねば良いよという言葉が水を飲むような気軽さで口をつきます。その言葉に俺自身が傷つくってのに、絶える事が無い。束縛なのかなと思うけど、俺を縛るような物好きはもうこの世界にはいません。自由になろうと願った結果が孤独だったと言う有様。まさに俺の為にあつらえたような皮肉。だから俺はこの世界が大好き。