基本的に俺のような馬鹿の所には馬鹿な話が寄ってくる訳です。というか、殆ど都市伝説ですが。そんな馬鹿話の一つを紹介。誰に頼まれた訳でもないのにな。Twitterでは馬の骨よばわりなのにな。人生の電源がオフだとか言われてるのにな。
 それはさておき。
 なんでも昨今のCPUは高速化が頭打ちに近いんだとか。これ以上高速にすると発熱量が半端じゃなくなるとか、素材自体の限界値に近い所まで速度が上がってるとか色々と理由はあるようですが俺は知らない。そんなCPUの高速化にからんだ話で、何でも現状でのCPUの最高の物あたりになると、その中の基盤部分は一番薄くて原子が25個とかのレベルなんだそうで。そこまで話がミクロになると想像もつかないな。俺馬鹿だし。馬の骨だし。人生の電源はオフだし。
 で、頭のいい人が試作として厚みを五分の一に削ってみたんだとか。
 そうなると、単純計算で五倍の量を積み込めるわけだ。ついでに量的に五分の一にしたら発熱量だって押さえる事が出来そうだし、それは実に素晴らしい技術だということで挑戦したんだそうですが、この結果ってのが「まったく計算が出来ない」ものが仕上がったんだそうで。既存の技術で薄さだけを削ったのに、全く使えない物が完成したっていう理不尽此の上ない状態に作った人も頭を抱えてしまい、色々と原因を探ったら。
 ここまで薄くなると、量子力学的な現象が表に出て来てしまい、電子の動きに不確定性が現れてしまって「あ?観測者が現象に干渉するまでオンもオフも知ったこっちゃ無いね」という振る舞いをしてるらしい、と。端的に言うと電気が流れたか流れてないかをゼロとイチに表して二進法とし、それを計算させることで一連の動作をさせるっていうのがCPUだってのに、その根本である計算のゼロイチ部分が何かの干渉によって勝手に決定されて行くという、あらゆる意味で異次元な物が出来たとか。
 実に面白い都市伝説だなあとゲラゲラ笑ったんです。俺馬鹿だし。馬の骨だし。
 ところで、俺は俺の人生の電源をオンにしたいんですが、誰か俺の人生に干渉して俺の人生の現象を確定してくれませんかね? このまま箱に詰まってるような人生ですとね、生きてるんだか死んでるんだか、誰にもワカランじゃないですか。そもそも俺の人生は本当にオフなんですか? 観測しましたか? 私、干渉された記憶すらないんですがねえ。